彫刻ガラスワタベについて
彫刻ガラス ワタベは1996年に東京の下町江東区大島で開業した、
サンドブラスト彫刻専門の工房です。
古くからガラスの町として有名な場所で、30年近くサンドブラスト作品を制作・販売してきました。
その高いサンドブラスト彫刻技術が認められ、
『東京都百歳記念品』に2000年と2023年の二度選出されています。
また、おみやげグランプリ2015にてグランプリを獲得した、
田島硝子社製『富士山グラス』にもワタベの技術が欠かせません。
その技術を求めて、これまでに全国から数百人の作家希望者が集まり、ワタベの技を伝えてきました。


東京都百歳記念品「つぼ型花器ブドウ」(2000年) 東京都百歳記念品「筒型花瓶ブドウ」(2023年)

おみやげグランプリ2015
グランプリ・観光庁長官賞受賞
「富士山グラス」
サンドブラスト技法とは?
サンドブラストとは、圧縮した空気によって硬質の砂をガラスの表面に吹付けて削り彫刻していく技法です。
吹き付ける砂を彫刻刀のように使い、砂の量、空気の圧力などを細かく調節することによって、力強く立体的な彫刻から浅く繊細な彫刻まで様々な表現ができます。
彫刻ガラスワタベでは、『沈め彫り』『深彫り』『段彫り』『浮き彫り』『重ね彫り』という、5つの彫り方を、素材やモチーフにあわせて使い、多彩な作品を制作しています。
基本の彫り方である沈め彫りを用いた、鯉のグラスの制作動画をぜひご覧ください。
Collection Gallery
ワタベの技
沈め彫り
ブラスターのノズルから噴出する砂を 木彫り用の彫刻刀の刃のように用います。
細いところは細く鋭く、大きく広いところは広く、また深いところは強く、木彫刻が彫刻刀を変えながら
彫るといった発想から生まれた技法です。
深彫り
グラヴィールの逆レリーフを参考とした技法で、葡萄の丸み、動物の筋肉など、モチーフをより写実的に、
より立体的に彫刻する時に使います。
例えば、動物をモチーフとした作品では、深く彫刻することによって筋肉や体のふくらみなどの迫力を表現し、
また、その彫刻した部分に、全く反対の繊細な彫りを加えることで、動物の毛の質感、魚の鱗の重なりなど、
微妙な部分を表すことができます。
実際の遠近感を出すために、手前のモチーフから彫り、彫った面ではなく、反対側から見られるように彫刻する
ため、逆レリーフとも呼ばれます。
段彫り
色被せガラスとは、地のガラスに、色の異なるガラスを一層、二層と被せたガラスです。
江戸切子の素材として有名ですが、現在では、色被せガラスそのものも、東京都の伝統工芸品となっています。
最近10年では、サンドブラストの素材としても使われるようになりました。色被せラスの表面を、段差をつけて
彫刻すると(この技法を段彫りといいます)色の濃淡により、モチーフが水彩画のように描け、絵画的な作品に
仕上がります。
浮き彫り
木彫りのタッチをガラスに表現する技法です。木彫りと同じように、目で見たままを彫刻して表現します。
正確な彫刻技術を必要とする、最も難しい技法です。
重ね彫り
今までのガラス彫刻では空間を表現するという発想がありませんでした。
重ね彫りとは、花と葉の間に隙間など、物と物との空間を意識し、表現する技法です。
ガラスの表面ではなく、ガラスの中に食い込ませるように彫っていくため、とても難しい技法です。